映画『交渉人』などで活躍している、ケビンスペイシー。
一時、性的暴行の告発をうけ40億円以上の賠償金のとんでもないピンチを迎えていました。
結論からいうと性的暴行の件は無罪。しかし現在はケビンが出演していたドラマの制作サイドからの賠償金が残ったままです。
しかし仕事をしようにもハリウッドからは追放状態で、現在はヨーロッパから再起をはかっているようです。
ケビン・スペイシーの現在の状況について見ていきます。
ケビンスペーシーの現在は?借金と悪評でピンチ
ケビンの2023年7月ころの様子です。
「僕には処理すべきことがたくさんあることを皆さんは理解してくれると思います」と、性的暴行容疑で無罪となったケビン・スペイシーはロンドンの裁判所の階段で語った。
そもそも何でこんな事態になったのでしょうか?
きっかけから現在の生活の様子まで以下のテーマについて掘り下げていきます。
- きっかけは2017年の性的暴行の告発
- 当初42億円以上の訴訟費用だった!?
- 無罪確定もハリウッドから追放状態
- なんとイタリアで賞を受賞!再起をはかる
それでは行ってみましょう。
きっかけは2017年の性的暴行の告発
ケビン・スペイシーに対する性的暴行の告発は、2017年の俳優アンソニー・ラップがきっかけです。
彼は1986年に14歳の時に、ケビンから性的な関係を求められたというのです。
告発したのはどんな人?
告発したアンソニー・ラップは、テレビドラマ『スタートレック・ディスカバリー』などに出演する俳優です。
と同時に同性愛者を公言しています。
アンソニーは14歳の時に26歳だったケビンの自宅のパーティーに呼ばれ、他の客がいなくなった後にケビンから抱きかかえられるようにベッドに連れ込まれたと主張しています。
結果アンソニーはどうしたかというと、その場から逃げ帰ったと語っています。
冒頭の彼の写真をみると、どことなく女性的な印象がありますよね。
アンソニーが14歳のころは、まだ同性愛者であることはまだ公表していませんでした。
彼がそのことを公表したのは、だいぶあとの2017年のアンソニー46歳のころです。
ケビンはアンソニーが同性愛者かもしれないと、すでに嗅ぎ分けていたということになります。それにしてもなんという嗅覚。当事者同士、何となくわかるのでしょうか。
そうして2017年のアンソニー・ラップの告発をきっかけに「#MeToo」運動がわきおこり、複数の男性から性的暴行の告発がありました。
最終的に、Netflixの人気シリーズ「ハウス・オブ・カード」の主演を降板させられる事態にまで発展したのです。
ケビンスペーシーに被害を訴えた人達
被害を訴えた人(いつ) | 被害内容 |
---|---|
アンソニー・ラップ (2017年) | 1986年に14歳の時、ケビンが自宅で開いたパーティーで性的な関係を求められたと主張。 |
マッサージセラピスト[匿名] (2019年) | 2016年のマッサージ中にケビンから無理やり触られ、オーラルセックスを強要したと主張。 |
複数の男性[イギリス] (2022年) | 2004年から2015年にかけて、ケビンがオールド・ヴィック劇場の芸術監督を務めていた時期に性的暴行を受けたと主張。 |
このようにアンソニー・ラップ以外にもケビンによる性的暴行を受けたとする複数の告発が相次ぎ、合計で15人以上が名乗り出たのです。ジ●ニーさんには及ばないでしょうが、とんでもない数です。
アンソニーの告発をきっかけに、ケビンも同性愛者であることを公表しました。
ケビンスペーシーの告白
ケビン・スペイシーは、2017年に自身が同性愛者であることを公表しました。
彼はこれまで女性とも男性とも関係を持ってきたと述べ、現在は「ゲイとして生きることを選んでいる」と明かしました。
ケビンは、アンソニーの告発に対して謝罪しつつも、記憶にないと述べました。
具体的には「酔った上での非常に不適切な振る舞いだった」という内容です。
しかし、このタイミングでのカミングアウトは批判を受けました。
なぜかというと、ケビン・スペーシーがゲイだと公表することによって性的暴行から注目をそらそうとしているとしていると世間は感じたからです。
当初42億円以上の訴訟費用だった!?
ケビン・スペーシーが訴訟に必要な金額は3100万ドル(約42億円)以上とも言われていました。
なぜ、そんなにふくれあがったのでしょうか。
それは性的暴行疑惑だけではなく、評判が落ちたことによるスポンサーや制作側からの訴訟も含まれるからです。
さらにケビンが出演しているNetflixドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」では主役を演じていたことが大きいです。
まだシーズン6の撮影の途中で、性的暴行疑惑が浮上したのです。
この報道によってケビンは、裁判所から制作会社MRCに対して3100万ドル(約42億円)の支払いを命じられました。
それはそうですよね、数十億円の利益を見込んでいたのに悪い評判がでてしまったら集中してドラマを観ることはできません。疑惑がどんなに役柄にあっていたとしても、大々的に放送したらクレームがきます。
当時、撮影はシーズン6の第2話まで進んでいました。しかし続行が難しいとされ、ケビンが演じた主役のフランクは死亡する設定に書き換えられる事態になってしまったのです。
その後どうなったかというと、撮影は再開されました。
ただ全13話から全8話に短縮され、何だか無理やりな内容と感じた視聴者もいたでしょう。
ここでケビンの性的虐待疑惑が浮上してから訴訟がどうなったかまとめます。
Netflixドラマ『ハウス・オブ・カード』第5シーズンの配信が始まる
アンソニー・ラップがケビンの性的暴行を告白
性的暴行疑惑が浮上により、『ハウス・オブ・カード』の撮影中断
当初13話の予定が、ケビンの降板で全8話に短縮される
ケビンが演じるフランク(主人公)は死亡するストーリーに変更
制作会社MRCから損害賠償を求める訴訟の賠償額が下される
性的暴行疑惑は無罪。しかし制作会社MRCとの訴訟は続く
当初の3100万ドルから大幅に減額される
時系列の最後から2つ目、ケビンの疑惑は裁判で無罪となりました。
では、無罪になった要因は何だったのでしょうか。
無罪になった要因は何だったの?
証拠が不十分だったことが大きいです。
イギリスのサザーククラウン裁判所で性的暴行に関する訴訟が行われ、ケビンは2023年7月に無罪判決を受けました。
この裁判では、彼が過去に複数の男性に対して性的暴行を行ったとされる事件について証言が行われました。
しかし、ケビンはすべての容疑を否定しています。その要因は、
- 証拠が不十分だったから
- 男性4人への行為が合意の上である可能性があった
- 被害者たちが売名目的なのではという懸念もあった
が挙げられます。
この判決にケビン・スペーシーは「今日の結果には身が引き締まる思いだ」と語りました。
ケビンがこのように発言したのには訳があります。それは自己破産の危機があったからです。
自己破産を回避した理由は?
ケビンが自己破産を回避したのは、性的暴行疑惑の民事訴訟で無罪が確定したからです。
彼の無罪が確定するまでは費用を工面するために、ボルチモアにある自宅を差し押さえられたことを明かしています。
売り出された額は、なんと324万ドル(約4億8600万円)です。
これでは、訴訟額の3100万ドル(約42億円)にぜんぜん足りません。
そのため一時期、自己破産まで覚悟したようです。しかし、自己破産を回避する目途がたったというのです。
それは、賠償金が以下のように減額されたからです。
3100万ドル(約42億円)
↓
100万ドル(約1億4800万円)
42億円が1億円に減額されたら、何とか払える希望がありますよね。
結論をいうと、ケビンは分割払いで支払うことに合意しました。
具体的には、彼の所得の10%をベースに年ごとの分割払いです。
これならすぐに収入がなくても、その年は何とかやっていける可能性があります。
しかし、性的暴行疑惑がもちあがった時点でハリウッドからは追放されたに等しいです。
無罪確定もハリウッドからは追放状態
このように、ケビン・スペイシーは法的には無罪となったものの、ハリウッドから追放された状態です。
それは、ハリウッドのスタジオや制作会社がケビンとの関係を避けているからです。
一部、業界の関係者はケビンと仕事をしたい人もいるようです。
しかし、視聴者を怒らせることを理由に話がすすまないのです。
あと、2017年の性的虐待疑惑が浮上するまで、ケビン・スペーシーは以下の作品に出演が予定されていました。
作品名 | 状況 | 結末 |
---|---|---|
ゲティ家の身代金(All the Money in the World) | すでに撮影済みだったが、2017年の告発後に降板。 | 監督(リドリー・スコット)は、彼のシーンを代役クリストファー・プラマーに再撮影させ、公開。 |
神を描いた男(The Man Who Drew God) | イタリアのドラマ映画で、スペイシーは主要な役を演じた。 | 2021年に撮影、2023年に公開。 |
コントロール(Control) | イギリスのスリラー映画。降板はない。 | 2023年に公開、初上映イベントはキャンセル。 |
ピーター・ファイブ・エイト(Peter Five Eight) | ケビン・スペーシー主演のスリラー映画。 | ハリウッド復帰作のひとつ。2024年3月22日にアメリカで公開。 |
2017年ころのハリウッド作品は全て降板させられています。
こうみると、ヨーロッパでは降板や公開自体がキャンセルといった事態はないようです。
たとえハリウッドで復帰がむずかしいとしても、ヨーロッパで活躍する舞台もあるのではないでしょうか。
ただ2024年の今年は『ピーター・ファイブ・エイト(Peter Five Eight)』でハリウッド復帰しています。
復帰後、ケビン・スペーシーのアメリカでの反響はどうなったのでしょうか。
復帰後の周囲の声
ケビン・スペイシーは、2024年の映画「ピーター・ファイブ・エイト」に出演し、ハリウッドでの復帰を果たしました。(日本での公開予定はなし)
この復帰に対するアメリカの人たちの反響は、賛否が分かれています。
支持の声:例えば、リーアム・ニーソンやシャロン・ストーンは、彼の才能を称賛し、復帰を歓迎するコメントを寄せています。シャロン・ストーンは「彼は天才だ」と述べ、彼の仕事復帰を待ち望んでいると語りました。
批判の声: 一方で、スペイシーに対する否定的な意見も多く存在します。彼の過去の性的虐待疑惑や告発が影響し、復帰に対して不快感を示す人々もいます。特に、#MeToo運動の影響を受けた多くの人々は、彼の復帰を受け入れがたいと感じているようです。
アメリカは児童への性的な犯罪にとくに厳しいことで知られています。世間の感情は簡単には許さないようです。
なんとイタリアで賞を受賞!再起をはかる
オスカーを2度受賞したケビン・スペイシーは、ハリウッドでのキャリアを再開しました。
しかし、以前のようにスタジオや配信会社から支持を得るのはまだ難しい状況です。
いまはイタリアでの活動を中心に、徐々に実績がみとめられるようになっているようです。
その理由はイタリアのネーションズ・アワード生涯功労賞を受賞したからです。
現在の生活の様子は?
2021年ころのケビン・スペーシー。パパラッチに撮影され、少しぽっちゃりした様子がうかがえます。
当時ケビンはボルチモアの自宅は差し押さえられ、自分でも「どこに住むか分からない」と発言していたころと推測できます。
しかし2024年、イタリアでの活動が認められネーションズ・アワード生涯功労賞受賞の様子をXに投稿しています。
2021年とくらべて少し痩せた印象です。
It’s a real honor to accept the Nations Award in one of my favorite nations 🇮🇹 pic.twitter.com/3PdSiNZmi2
— Kevin Spacey (@KevinSpacey) July 21, 2024
ネーションズ・アワード生涯功労賞とはどのような人に贈られるのでしょうか。
この賞は、映画や演劇の分野で顕著な業績を残した人物に贈られるもので、特にそのキャリアにおいて重要な貢献をしたと認められた人々に与えられる
とあります。
ケビン・スペーシーの受賞理由は、彼が映画と演劇の歴史において「不朽の記念碑」と称されるほどの影響力を持つ俳優であるとのことです。
さらにアワードの主催者(ミシェル・クラトロとマルコ・ファランカ)は、彼が「疑いなく、キャリアを取り戻す機会に値する」とベタ褒めしています。
受賞式は2024年7月21日にシチリア島のタオルミーナで行われたことから、現地で撮影されたXの投稿と考えられます。
今後どのような作品に出演する?
ケビン・スペーシーはイタリアの制作会社によるスリラー映画『The Contract』に主演で出演しています。
役柄は「悪魔」で、2024年3月22日にアメリカで限定公開されています。
2017年以降の活動拠点はヨーロッパ、特にイタリアで制作された映画がメインのようです。
ケビンがヨーロッパで実績をかさねて、ハリウッドに本格復帰するのは時間の問題かもしれません。
まとめ
この記事のまとめです。
ケビンスペーシーの現在をまとめると
- 2017年に性的暴行の告発をうける
- 2022年に無罪が確定
- 出演ドラマの降板で損害賠償は続いている
- ハリウッドでの復帰は微妙
- ヨーロッパでの活動が中心
というのが現在の状況となっています。
コメント